インプラントの失敗とは?軽いトラブルから、深刻な事故まで。

インプラントのトラブル、事故とは?

軽微なものから深刻なものまで・・・

インプラントの失敗、トラブルには、再治療や処置によってリカバリーが容易にできるものから、深刻なものまであります。

  1. 1.インプラントの上部構造の破損、脱離。
  2. 2.アバットメント、スクリューなど接続部分の不具合、トラブル。
  3. 3.インプラント体と骨の結合の失敗。
  4. 4.オペ時における血管や神経の損傷
  5. 5.インプラント周囲の感染、インプラント歯周炎。

上部構造の破損、脱離

人工歯根の上からかぶせる、人工歯である上部構造。セラミックで作られることが多いですが、何かのはずみで欠けたり割れたりすることがあります。インプラントが壊れた!と驚く方もいらっしゃると思いますが、上部構造が割れただけであれば再オペなどの必要はなく、歯科医院で再製作してもらう事ができます。 歯科医院によって、実費が必要な場合と、保証に基づいて無料で再製作してくれる場合があります。

インプラントの部位や、噛み合わせの力、上部構造の素材によって、割れやすさなどには差が生じます。保証内容や上部構造の素材など、治療前に確認しておくと良いでしょう。

接合部分の不具合、トラブル

上部構造を固定しているスクリュー、または、インプラントと上部構造の間の部品であるアバットメントを固定しているスクリューの緩みが起きることがあります。

単純に緩んだだけであれば、歯科医院で締め直してもらえば大丈夫です。しかし、部品そのものが壊れてしまったり、不具合を生じてしまったような場合は、新しい部品を取り寄せて交換するなどの対処が必要になります。

インプラント体と骨の結合の失敗

インプラントのオペ後、骨結合(オッセオインテグレーション)ができない場合や、緩い場合があります。
骨結合の失敗の原因には、下記のようなものがあります。


  1. 1.骨が少ない場合
    2.骨の質が弱い場合
    3.埋入位置が適切でない
    3.体質や全身疾患、薬などの影響で、骨の代謝が悪い場合
    4.喫煙
    5.噛み合わせがきつすぎる場合
    6.オペ中の細菌感染
    7.オペ時の骨のやけど
    8.初期固定が緩い場合

インプラントは埋入する位置はもちろん、角度や深さが適切でなければ、骨と強固な結合を得られない場合があります。事前にCTで骨の厚さや密度を確認して治療計画をたてる事で、治療の精度を上げることができます。

骨が少ない場合や、骨の質が弱い場合は、インプラントを埋入するのが難しいため施術ができない場合も多く、できたとしても、初期固定が得られにくく難しい傾向があります。 初期固定が緩いとインプラント体が揺れてしまい、骨結合ができなくなります。

噛み合わせがきつい場合も、インプラント体が揺れて結合を阻害する事があるので、そうならないために、術前の計画(埋入位置や本数、上部構造の構造の設計)が大切になります。 術後に噛み合わせによる不具合が発覚した場合は、噛み合わせの調整などを検討してもらう必要があります。 違和感があるのにそのままにしておくと、初期固定が得られず骨結合が適切に行われない場合があるので、術後、違和感など気になる事がある場合は、すみやかに歯科医院で確認をしてもらって下さい。

また、骨粗鬆症の薬を飲んでいる場合や、腎臓が悪い場合など、骨の代謝が悪い場合も、新しい骨がインプラントを取り込みにくく、骨結合に支障をきたす事があります。 喫煙の骨の戻りを悪くする原因となりやすいので、なるべく避けるようにしたいものです。

インプラントのオペでは、顎骨に穴を開けてそこにインプラント体を埋入しますが、その際に衛生管理が不足していて細菌感染がおきると、骨結合はできません。 細菌感染を起こしている場合は抗生物質の追加投与、場合によってはインプラント体や移植材の除去が必要です。

オペの際には穴を開けるために骨を切削しますが、回転速度が早すぎたり、冷却のための注水が不足したりすると、その摩擦熱で骨がやけどの状態になる場合があります。そのような場合も、骨結合を得ることはできません。

骨結合ができなかった場合、緩い場合は、何らかの形でリカバリーが必要になります。まずはオペを行ったドクターに相談しましょう。

リカバリーが自医院では難しいのに他医療機関を頼るのが嫌で抱え込んでしまうドクターもいるので、状態がかんばしくないようであれば、リカバリーが得意なドクターがいる医療機関や大学病院など、他の医療施設での再治療も検討して下さい。

オペ時における血管や神経の損傷

オペの際に血管を傷つけてしまう事で、大量の出血をする場合があります。 大事に至るまでに止血ができれば問題はありませんが、持病によって血が止まりにくい方の場合などには、大変な状態に陥る可能性があります。

2007年に東京、八重洲で70代の女性がインプラントのオペで死亡した事件がありましたが、それも血管の損傷によるものでした。 舌の動脈を傷つけてしまった事で口底部に血腫を生じ、それが喉をふさいで呼吸が出来なくなった結果、窒息してしまったのです。

また、オペ時に起こる可能性があるトラブルには、神経の損傷があります。 インプラントのオペでの神経の損傷は、下顎の下歯槽神経・オトガイ神経がほとんどのようで、唇やその周囲の感覚がなくなる、またはしびれる、神経の過敏状態がつづく等の感覚異常に悩まされる可能性があります。

下顎の神経の損傷は、インプラントのオペによるもの以外に、下の歯や埋伏歯(骨に埋まっている歯)の抜糸、神経の治療などを行った場合などでも生じる可能性があるようです。

インプラント体が上顎洞に損傷を与えた場合

上顎の場合は、上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる、上顎骨の中にある副鼻腔のうち最大の空洞に穴を開けてしまう事や、そこの粘膜を傷つけてしまう事によって、トラブルが生じる可能性があります。

上顎の骨を突き抜けて上顎洞に至る穴をあけてしまうと、穴から上顎洞内にインプラント体が迷入する場合があります。その場合は、摘出手術を受ける事になります。ただ、上顎洞内のインプラント摘出は難しい処置でもあるので、大学病院などの専門的な施設や、経験豊富なドクターに相談するほうが良いかもしれません。

上顎洞内インプラント体が迷入しなくても、穴のあいた箇所、傷ついた箇所から炎症が起きる場合があります。 上顎洞に炎症が起こると、匂いを感じにくくなったり、鼻水が詰まったり、ひどくなると膿が流れてきたり、蓄膿症のような症状が生じます。 場合によっては、うがいや飲み物の摂取で、鼻から水が漏れることもあります。

上顎洞炎はインプラントだけでなく、上の歯の歯周病や虫歯が上顎洞にまで至り、感染して引き起こされる場合もあります。
いずれの場合も、早めに医療機関で受診することが大切です。

インプラント周囲の感染、インプラント周囲炎

インプラント治療後にメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎という細菌感染が生じる場合があります。
インプラント周囲炎は歯周病と同様に、口の中の汚れ(プラークや歯石)が原因です。
インプラント周囲炎の予防には、毎日の歯みがきなどのお手入れと、定期的な歯科医院でのメインテナンスが必要です。

天然歯の細菌感染症である「歯周病」は歯を失う大きな原因ですが、インプラントの細菌感染症である「インプラント周囲炎」も、インプラントのトラブル、失敗の中でも、気をつけなくてはならないものの一つです。

インプラント周囲炎は、インプラントとその周囲の粘膜にのみ起こる初期段階の炎症を「インプラント周囲粘膜炎」、さらに進行してインプラントを支える顎の骨にまで炎症が達したものを「インプラント周囲炎」というように、段階によって区別する場合もあります。

インプラント周囲炎の主な原因は、毎日のケア不足や歯科医院でのメンテナンスを受けていない事で、歯垢が溜まり歯石となって、そこに巣食う細菌が感染症を引き起こすことです。
歯垢、歯石による細菌感染は、インプラントだけでなく、天然歯にも感染をして、歯周病を引き起こす要因となります。

また、ケア不足以外に歯周病やインプラント周囲炎を悪化させやすい要因として、末端の代謝が弱り歯周病が発生しやすく重篤化しやすい傾向のある全身疾患(特に糖尿病)の影響、同じく末端の代謝を阻害する喫煙の習慣などが挙げられます。
該当する方は、通常の方よりも毎日のケアを丁寧に行い、メインテナンスもまめに通うようにする事をおすすめいたします。

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こんな症状にご注意!心当たりのある場合は、すぐに歯科医院へ!

  • ・インプラント周囲の粘膜の一部が赤くなった
  • ・インプラント以外の部位に歯肉炎、歯周病の徴候がある
  • ・痛みがある
  • ・歯茎の腫れた
  • ・出血がある
  • ・膿が出る
  • ・インプラントと歯茎の間の溝が深くなる
  • ・歯茎が痩せた、歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになった
  • ・インプラントがぐらぐらする
  • ・インプラントが抜けた

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